2016年09月12日

70期司法修習生(予定)の方へ

2016年9月6日に司法試験の合格発表が行われ、1583名の方が合格されたようです。大半の方々は、70期司法修習生として、約1年間の司法修習に励むことになります。司法修習のために申込書類の提出期限が9月13日消印有効ということで、修習地の希望をどうすべきか等、悩んでいらっしゃる方も多いと思います。某巨大掲示板を見ていると、いろんな人がいろんな書き込みをされているのですが、部外者と思われるおかしな書き込みが目立ちます。大半の方々は法科大学院を出ていらっしゃるはずなので、実務家教員や先輩などによく実情をきいた方がよいと思います。このタイミングで書いても、役に立たないとは思いますが・・・。

例えば修習地の希望はあくまで参考資料にすぎず、第1志望から順番に埋まっていくものではありません。第1志望に新潟と書けば新潟の志望者は定員までいないようなので、第2志望に釧路をネタとして書いたなどという、釣りとしか思えない書き込みがありましたが、この方が釧路になる可能性は極めて高いです。全修習地にうまく配置する必要があるのですから、第2志望に釧路を書けば、釧路の定員が1名埋まることになり、修習地を決める担当者はホッとすることになるでしょう。

就職するには、東京か地方か、などという不毛な議論もありましたが、弁護士の知り合いがいれば、東京の方がよいなどという短絡的な結論にならないと思われます。東京では様々な事件があるとしても、それは別々の弁護士が担当しているのであって、1人の弁護士が幅広く担当できるわけではありません。東京では競争が激しく、案件の種類が特化してしまうので、幅広い経験をするのは難しい。特化した職務経験しかない弁護士は、地方にいっても役に立たない。東京だと即独支援があるとかいうなどということが利点だと主張している人は、業界のことを全く知らないのだなと思います。地方だとそんな仕組みがなくても先輩弁護士がいくらでもサポートしてくれるのだけれど、東京だとわざわざ仕組みを作らないとサポートできないというだけです。即独するなら地方の方が圧倒的に楽であることは、少しでも業界のことを知っていればわかるはずなのですが・・・。東京では国選も弁護士会の法律相談もほとんど回ってこないし、管財事件なんて倒産村にいないと事実上受任できません。弁護士の大多数の方にとっては、地方の方が充実した弁護士生活を送ることができると思います。

東京でないとなかなか経験できない特殊な仕事を志望するのであれば、東京志望というのは十分に理解できます。大手渉外事務所志望とか、先端的な知財事務所とか、それぞれの専門的な分野につきたい人であれば、東京は魅力的な職場になるでしょう。その場合は、単に東京志望というよりは、この具体的な事務所に入りたいという固有名詞の世界になると思います。下町ロケットの神谷弁護士にあこがれたので、そのモデルとなった鮫島先生の下でどうしても働きたい、といった発想です。結局のところ、東京か地方か、ではなく、どういう弁護士になりたいかによって変わってくるのだと思います。

充実した修習をしたいというのであれば、地方の方が圧倒的に充実しています。東京では人数が多すぎて、修習内容も希薄化しています。私は横浜修習でしたが、検察修習は検察志望者以外はほとんど放っておかれていました。ただし、そうは言っても東京で就職したいという方はたくさんいるでしょうし、その場合、東京周辺で修習していないと、就職活動はかなり不利になりますので、東京周辺の人気が高くなるのはやむをえない面もあります。私の場合でも、東京周辺の方であれば、ちょっと気にかかる人がいれば気楽に呼んで面接することはできますが、よっぽどのことがないかぎり、なかなか遠い地方の方をお呼びするわけにはいきません。その一方で、特定の地方での就職を考えている人は、修習地にその地域を選ぶことが極めて重要になります。1人を採用するのに、わざわざ公募して何十通もの履歴書をみるよりは、その地域の修習生を何人か面接して1人採用した方が楽なので、地方の就職情報はその地域外には伝わらないことが多いです。もし、希望する地域の修習にならなかった場合には、その地域の修習生の知り合いを何とか確保しましょう。

弊事務所も、弁護士会のひまわり求人求職ナビに70期の募集を追加しました。ただ、現実的な問題としては、70期の方が加わる来年12月以降に、弊事務所がどのような形態になっているのかは、私にもよくわかりません。希望者の方とゆっくり話し合うことになるのだと思います。就職は学校とは違いますので、仕事をしてもらわなければならないのですが、その意識が希薄な方が多いように思います。「私はこれがやりたい」という主張ばかりして、あなたを雇って私に何のメリットがあるのかわからない人が多いです。比較的時間のある今のうちに、実務家教員や先輩などと、よく相談してみることが大切だと思います。
posted by いいぜん at 16:18| Comment(0) | 日記
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