2016年04月01日

法律事務所の経営について

大手事務所のようにきちんとした基盤がある事務所はともかくとして、一般の法律事務所の経営は難しいものであるというのが、最近の状況だと思います。昔は、弁護士会にべったり貼りついていれば、弁護士会の法律相談とか管財事件とか様々な仕事が入ってきたのだと思いますし、過払いバブルというものもありました。今は弁護士だから食べていけるという状況にはないので、経営していくには工夫が必要です。まず、どのような案件がくるのかは読めない部分が多いです。サラリーマン時代には、上司にいろんな文句はあっても、我慢していれば給料日に一定の給料が入ってきたので、今にして思えば非常にありがたい身分でした。零細個人事業主としては、今月仕事がないと来月は金繰りが回らなくなるということにもなりかねません。それで、お客様からの預り金に手をつけてしまう不埒なおじいさん弁護士がでてくるわけですが、若手の弁護士はそもそも手をつけるような預り金すらなかったりします。収入が読めない以上、支出をコントロールするのが先決となります。法律事務所の主な支出としては、オフィスの賃料と人件費。私も独立した当初はレンタルオフィスを借りて、賃料を圧縮しました。人件費もうちの事務所のように裁判所の案件がほとんどないところでは、事務員はひとまず不要ということで、雇いませんでした。人を雇うということは、その分、自分の利益がなくなるということなので、雇う場合にはそれ以上の収入が増えることが前提になります。弁護士を雇う場合には、その報酬の2倍から3倍くらいの売上が増えないと意味がないといわれています。イソ弁時代は経費がほとんどかからないので、事務所からもらえる収入がそのままプラスになりますが、独立してしまうと、事務所賃料をはじめとして様々な経費が発生するので、個人事件がこのくらい取れているので何とかなるかと思っていると困ったことになります。イソ弁時代から、どういう経費がかかるのかというのを、よく調べておくことをお薦めします。ネット経由で仕事をとろうと思うと、ホームページの作成費用、SEOやリスティング広告の費用などがかかってきます。東京だとこうした費用が高騰してきており、大変なことになっています。
ある程度、収入の見込みをつけようと思うと、顧問の会社を増やすということになるかと思いますが、1社5万円/月の顧問料がとれたとしても、10社で50万円にしかなりません。10社も顧問をかかえると、その対応だけでかなりの時間をとられます。しかも最近は5万円も払ってくれる会社はなかなか見つかりません。一定の収入を確保しようとすれば、ある程度ルーティン化できる仕事をとってくる伝手を作ることになるのでしょう。損保と仲良くなって交通事故をたくさんやるとか、過払いに代わるものを探すとか(ちょっと前だったら為替デリバティブ被害とか、今でもまだ多いのはB型肝炎訴訟とか、未払い残業代請求をするとか、国選をやりまくるとか)になるのではないかと思います。それが本当にやりたい仕事なのかは別ですが、背に腹は代えられないということが多いと思います。それが嫌ならどうすべきか、真剣に考えなければいけません。
ということで、零細事務所の経営は大変なのだということを、まずは、しっかり認識しておく必要があると思います。そこから先は、各事務所の先生方の工夫がありますので、そこをよく見極めることが大切です。私も独立した当初は(というか今も?)通帳の残高を常にチェックして資金繰りを気にしていました。余裕がなくなると、筋が悪そうな案件に飛びつきたくなります。最近は弁護士を食い物にしようとする業者も増えてきました。なかなか生きていくのが大変な時代です。
posted by いいぜん at 20:19| Comment(0) | 日記