前回のブログの記載から1年半以上が経ってしまいました。コロナ禍で対外的な行事ができなかったこともあり、中小企業診断士の活動は停滞したままです。せっかく資格を取得したことですし、そろそろ活動を復活させたいところです。
本業の法律事務所の方は、新人弁護士の採用を繰り返してみたものの、価値観が一致することは難しいようで、定着することがなく、現在は一人事務所に戻ってしまっています。弁護士も個人事業主としてベンチャースピリッツが必要だと個人的には考えているものの、その価値観を共有できる若者に出会うのは難しいようです。銀行勤務時代は、「平成入行の若造が偉そうなことを言うな」とよく怒られたものですが、そういう私自身の価値観もどっぷり昭和世代に浸かっているところはあるのかもしれません。特に私が勤務していたのは、極めてハードな住友銀行という銀行でしたので、最近の若者と話が合わないことも多いです。ベンチャー企業を目指す若者の中には、私が銀行入行時代に流行っていた、リゲインの広告「24時間戦えますか」という価値観をもった人も見受けられますが、法曹志望の方で、そこまで根性の座った方はなかなか見当たりません。パワハラなブラック事務所とベンチャースピリッツは紙一重のところがありますが、偏った価値観を強要するわけにはいかず、難しいところです。
ということで、現在の仕事の比重としては、ベンチャー企業の中にどっぷり浸かりつつ、とはいえ、現代の企業として、パワハラなブラック企業と後ろ指をさされないようにしっかりとコンプライアンスを遵守し(コンプライアンスを遵守を日本語に訳すと「法令等遵守を遵守する」という変な日本語になりますが)、目標に向かってみんなで進むことを推進したいと考えています。
青山学院大学でコンプライアンスを教え始めて、かれこれ10年になります。その間に、私が監査役を務めていたディー・エヌ・エーでキュレーションに絡む問題が発生したり、まさに現場で様々な体験をしてきました。最近は、戦後最大の経済事件ともいわれるイトマン事件の暴露本がいろいろと出版され、私が新人住友銀行の行員であった頃、こういうことが起きていたのかということを、今になって知らされることがあり、これもコンプライアンスの良い教材となっています。私自身がまさに現場で体験したものを、後進に伝えることができればと思っています。
また、一橋大学法科大学院で司法試験受験指導のゼミを持って、こちらも約10年が経ちました。これまでに35名の教え子がいたのですが、実に32名が司法試験に合格しており、非常に嬉しいかぎりです。私などよりはるかに優秀な法曹として育っており、アメリカのロースクールに何人か留学しています(小室さんのニュースをみながら、私のアメリカのロースクール時代を懐かしく思い返していました)。
こうして、後輩たちの活躍を頼もしく思いつつも、私自身もまだまだ老ける歳ではありませんので、また、新たな挑戦をしていきたいと思います。
2021年09月27日
パワハラなブラック事務所とコンプライアンス
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2020年02月11日
中小企業診断士と「タキプロ」と社外役員について
ずいぶんとブログの更新が滞ってしまいましたが、その一因として、タキプロでの活動がありました。「タキプロ」は平成21〜令和1年度の中小企業診断士試験に合格したメンバー400名以上で結成されたグループです。タキプロでは、「診断士を目指す方の合格確率を1%でも高める」ため受験生の試験合格を全力でサポートしており、私は主にブログ班として活動していました。中小企業診断士に関することについては、タキプロのブログに書いてありますので、そちらを参照していただければと思います。この令和2年2月末をもって、タキプロの活動も、次世代のタキプロ11期に引継ぎますので、今後は、このブログで中小企業診断士のことについても書いていこうと思います。あくまで本業は弁護士ですし、社外役員としての活動が最大のウェイトを占めてはいますが、大企業からベンチャー企業まで、幅広く、法律だけでなくビジネス全般を見据えたアドバイスができるようにしていきたいと思います。
<タキプロ>
http://www.takipro.com/
その他、この1年の大きな出来事としては、父が亡くなったことがあります。私に最大の影響を与えたのは父ですし、まさに父の背中を見て追いかけていたのが、これまでの私の人生でした。父はNHKの電波技師を務めていましたが、祖父から広島の寺に帰ってこいと言われて、実家の寺を継ぎました。
仕事面では、8年間務めたDeNAの社外監査役を昨年6月に任期満了で退任しました。8年間のDeNAでの経験は非常に大きなものがありました。今はDeNAはあまり元気がないようで、OBとしてはいろいろ思うところもありますが、引き続き応援していきたいと思います。DeNAでは幅広い業務がありますが、まずは、ゲームの立て直しにもっと力を入れてほしいですね。まさかポケモンのゲームで、あんな出来の悪いものを出すとは思ってもみませんでした。MOVとかヘルスケアとか、やらなければならないこともたくさんありますが、面白いゲームを作るところから立て直さないとダメだと思います。そのための体制を抜本的に変えた方がいいと個人的には思っています。
その一方で、エクサウィザーズというAIの会社の社外監査役に就任しました。この会社は非常にわくわくする会社でして、近い将来、社会を大きく変えていく存在になると思います。私もその一助になれたらと思っています。
他にも社外役員として私の経験を活かせる会社があれば良いなと考えているのですが、昨年、いろんな会社の人に会った際には、みなさん、建前と本音が大きく違うなということがわかりました。社外役員にはこんなことを期待していると言って、建前ではいろんなことをおっしゃるのですが、本音としてはコーポレートガバナンスコードなどのせいで社外役員の数を確保しなければならないが、できれば何も言わず当たり障りのない肩書だけのイエスマンが欲しい、というのが本音のようでした。まだまだ日本ではガバナンスの概念が陳腐だなと感じます。
<タキプロ>
http://www.takipro.com/
その他、この1年の大きな出来事としては、父が亡くなったことがあります。私に最大の影響を与えたのは父ですし、まさに父の背中を見て追いかけていたのが、これまでの私の人生でした。父はNHKの電波技師を務めていましたが、祖父から広島の寺に帰ってこいと言われて、実家の寺を継ぎました。
仕事面では、8年間務めたDeNAの社外監査役を昨年6月に任期満了で退任しました。8年間のDeNAでの経験は非常に大きなものがありました。今はDeNAはあまり元気がないようで、OBとしてはいろいろ思うところもありますが、引き続き応援していきたいと思います。DeNAでは幅広い業務がありますが、まずは、ゲームの立て直しにもっと力を入れてほしいですね。まさかポケモンのゲームで、あんな出来の悪いものを出すとは思ってもみませんでした。MOVとかヘルスケアとか、やらなければならないこともたくさんありますが、面白いゲームを作るところから立て直さないとダメだと思います。そのための体制を抜本的に変えた方がいいと個人的には思っています。
その一方で、エクサウィザーズというAIの会社の社外監査役に就任しました。この会社は非常にわくわくする会社でして、近い将来、社会を大きく変えていく存在になると思います。私もその一助になれたらと思っています。
他にも社外役員として私の経験を活かせる会社があれば良いなと考えているのですが、昨年、いろんな会社の人に会った際には、みなさん、建前と本音が大きく違うなということがわかりました。社外役員にはこんなことを期待していると言って、建前ではいろんなことをおっしゃるのですが、本音としてはコーポレートガバナンスコードなどのせいで社外役員の数を確保しなければならないが、できれば何も言わず当たり障りのない肩書だけのイエスマンが欲しい、というのが本音のようでした。まだまだ日本ではガバナンスの概念が陳腐だなと感じます。
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| 日記
2019年01月18日
中小企業診断士合格
中小企業診断士の話題については、しばらく放置していましたが、昨年無事合格しましたので、まずは簡単にご報告させていただきます。詳しいことについては、成績開示の結果を踏まえて(まだ開示請求すらしていないので、当分先ですが)、記載したいと思います。結果的には、平成26年、28年、30年と1次試験を3回受けて全て合格、二次試験は平成26年から平成30年まで毎年受けて、5回目で合格ということになりました。
中小企業診断士試験は、1次試験7科目、2次試験4科目で、かなり幅広い知識が必要となりますので、まともに勉強するのは大変です。ガッツリ勉強しようとして、予備校の基幹講座に通って勉強すると、延べ2000時間といった時間が必要になりそうです。ただし、1次試験の中にはそれぞれの方の得意分野が含まれていると思われますので、何ら経験のない学生さんでなければ、ある程度は社会人になってからの知識で対応が可能だと思います。私自身は弁護士ですので、経営法務についての勉強はかなり軽めでよく(といっても、知的財産など私になじみがない分野の割合がかなりあるので、それなりの勉強は必要)、簿記2級をもっているので、最低限の財務会計の知識があったり、大昔に国家公務員試験を受けたときに勉強した経済原論の知識などを合わせると、そこそこの目途は立ちやすいところがありました。実際に、平成26年、28年、30年と3回1次試験をうけましたが、経営法務で大きくプラスして全体の平均をかろうじて60点以上にのせるという方法で、すべて合格しました。有名な中村真弁護士のブログを拝見すると、弁護士で経営法務と財務会計を免除しないで受ける人はいないとのことでしたが、1次試験を受かるという観点からすると、免除しないで7科目受けた方が圧倒的に合格しやすいと思います。おそらくベストなのは、財務会計だけ免除して経営法務は受験するというパターンだと思いますが、それが許されるのかは私は知りません。平成26年の1次試験では経営法務は1問間違いでしたので、ここで95点とかを取ると、他で40点台を連発しても受かってしまうという不思議な試験です。ただし、平成30年の経営法務は難しかったですね。私は凡ミスを連発したせいでもありますが、68点しかなく、おまえ本当に弁護士かと言われそうでした。経営法務一律8点加点という前代未聞の措置もうなづけるものがあります。平成30年の一次試験前は本業が忙しかったこともあり、直前2週間の勉強で合計50時間くらいしか時間が取れませんでしたが、これまでの蓄積により合格しました。
二次試験は最初の年を除くと、国語の試験だろという感覚で、やはり直前2週間だけ勉強して受験していましたが、さすがにそれだけの勉強時間では受からないことが、4回続けて落ちたことでよく理解できました。それで、平成30年はTACの事例4対策と、MMCの直前通信をとって、真面目に対策をするかと思ったものの、やはり直前に本業が忙しくなったため、1.5倍速で1回聞き流しただけで終わりました。昨年は全部で30時間も勉強していないと思います。ただ、TAC事例4対策の効果は絶大で、あれだけやれば、合格レベルの答案は書けるようになります。早く受講すればよかった。そして合格により効果があったのはMMCの方で、MMCは非常に単純なことしか言っておらず、こんなシンプルな答案で良いのかと思いながら、今回、MMC的なシンプル答案を書いてきましたが、それが良かったようです。成績開示を見てみないとわかりませんが、難しい答案を書く必要はないのだろうなと思いました。司法試験でも問いにシンプルに答えている答案が良い答案だとされていますが、中小企業診断士でも問いにストレートに答えたシンプルな答案が好まれるのではないでしょうか。成績開示の結果を踏まえて、あらためて、中小企業診断士試験対策を私なりにまとめて書きたいと思います。
中小企業診断士試験は、1次試験7科目、2次試験4科目で、かなり幅広い知識が必要となりますので、まともに勉強するのは大変です。ガッツリ勉強しようとして、予備校の基幹講座に通って勉強すると、延べ2000時間といった時間が必要になりそうです。ただし、1次試験の中にはそれぞれの方の得意分野が含まれていると思われますので、何ら経験のない学生さんでなければ、ある程度は社会人になってからの知識で対応が可能だと思います。私自身は弁護士ですので、経営法務についての勉強はかなり軽めでよく(といっても、知的財産など私になじみがない分野の割合がかなりあるので、それなりの勉強は必要)、簿記2級をもっているので、最低限の財務会計の知識があったり、大昔に国家公務員試験を受けたときに勉強した経済原論の知識などを合わせると、そこそこの目途は立ちやすいところがありました。実際に、平成26年、28年、30年と3回1次試験をうけましたが、経営法務で大きくプラスして全体の平均をかろうじて60点以上にのせるという方法で、すべて合格しました。有名な中村真弁護士のブログを拝見すると、弁護士で経営法務と財務会計を免除しないで受ける人はいないとのことでしたが、1次試験を受かるという観点からすると、免除しないで7科目受けた方が圧倒的に合格しやすいと思います。おそらくベストなのは、財務会計だけ免除して経営法務は受験するというパターンだと思いますが、それが許されるのかは私は知りません。平成26年の1次試験では経営法務は1問間違いでしたので、ここで95点とかを取ると、他で40点台を連発しても受かってしまうという不思議な試験です。ただし、平成30年の経営法務は難しかったですね。私は凡ミスを連発したせいでもありますが、68点しかなく、おまえ本当に弁護士かと言われそうでした。経営法務一律8点加点という前代未聞の措置もうなづけるものがあります。平成30年の一次試験前は本業が忙しかったこともあり、直前2週間の勉強で合計50時間くらいしか時間が取れませんでしたが、これまでの蓄積により合格しました。
二次試験は最初の年を除くと、国語の試験だろという感覚で、やはり直前2週間だけ勉強して受験していましたが、さすがにそれだけの勉強時間では受からないことが、4回続けて落ちたことでよく理解できました。それで、平成30年はTACの事例4対策と、MMCの直前通信をとって、真面目に対策をするかと思ったものの、やはり直前に本業が忙しくなったため、1.5倍速で1回聞き流しただけで終わりました。昨年は全部で30時間も勉強していないと思います。ただ、TAC事例4対策の効果は絶大で、あれだけやれば、合格レベルの答案は書けるようになります。早く受講すればよかった。そして合格により効果があったのはMMCの方で、MMCは非常に単純なことしか言っておらず、こんなシンプルな答案で良いのかと思いながら、今回、MMC的なシンプル答案を書いてきましたが、それが良かったようです。成績開示を見てみないとわかりませんが、難しい答案を書く必要はないのだろうなと思いました。司法試験でも問いにシンプルに答えている答案が良い答案だとされていますが、中小企業診断士でも問いにストレートに答えたシンプルな答案が好まれるのではないでしょうか。成績開示の結果を踏まえて、あらためて、中小企業診断士試験対策を私なりにまとめて書きたいと思います。
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