2017年03月03日

70期司法修習生及び経験弁護士の採用情報

様々な事情があって、なかなかこのブログの更新もできないままになっています。何かを書こうと思ったときにかぎって、いろんな事件が発生します。もう少し気楽にいろんな話題を発信したいのですが・・・。

そんな中であえて発信する優先度の高い情報としては、弊事務所の採用に関するものがあります。私が住友銀行を退職して14年が経ちました。銀行には13年11カ月いましたが、銀行を辞めてからの期間の方が長くなってしまいました。最近、横尾宣政さんの「野村證券第2事業法人部」という本が出たので読んでみたのですが、昔の野村證券の職場環境は昔の住友銀行に通じるものがあるなあと思って感慨深いものがあります。その当時に比べてみれば、最近は電通の問題が起きたりしていますが、総じて今の企業の職場環境はホワイト化していると思います。法律事務所の方が狭いムラ社会なので、ブラックな要素が多いこともあります。そういう意味で、企業法務志望の方はインハウスという選択肢も十分魅力的なものだと思います。私などは会社を飛び出して、ようやく自由を得たという思いも強いので、今さらインハウスという選択肢は考えていませんが、実際のところ、私の現在の主要な業務は、6社の社外役員の仕事ですので、働き方としてはインハウスに近くなっている部分もあります。

法律事務所を立ち上げたからには、一般的な法律事務所でこなせる業務は一通りできるような態勢を整えたいと考え、そのために必要となる弁護士の方を募集してきたのですが、それは他の事務所に任せてしまって、自分の得意分野に専念した方がよいのではないかと思いつつあります。組織としては、自分と違うタイプの人を採用すべきだというのが起業マニュアル的なものには書いてあるのですが、そういうのは組織と言えるだけの態勢が整ってから考えるべきであって、今は私と価値観を共有できる人を探すべきかなという考えに変わりつつあります。法曹を目指してきた方に、法曹ではなく経営者目線で考えることを要求するのは非常に難しいものであり、もしかしたら司法修習生や経験弁護士の方の中にはそんな人はいないのではないかと思ったりもしていますが、私と価値観のあう奇特な方をゆっくり探すことにします。

ということで、「起業」とか「経営」とかに強い関心のある方を募集したいと思います。弊事務所の基本的な営業時間は10時から18時までですが、事務所の仕事がなければ、その間も自分の個人事件をしたり、個人的な勉強等をするのも自由です。逆に夜はいろんな異業種交流等のイベントに私は参加することが多いですが、そういう場に一緒についてくれば得るものもたくさんあると思います。社外役員等を通じて得た様々なノウハウを共有することができるなど、好奇心が旺盛であれば、他の事務所にはない貴重な経験ができますが、逆に訴訟案件はほとんどないので、法曹実務について満足な指導が得られることを期待してはいけません。もっとも、こうした私には教えられない専門的な法曹実務については、それぞれの分野の専門家の先生方の協力を得て、経験することはできます。所詮、私の小さな事務所ですので、私を説得できれば、何でもできます。ただし、私は儲かるからといってつまらなそうな仕事には興味がないので、過払いとかを大量にやりたいとか言われてもお断りをします。儲けたいのであれば、他の事務所をお勧めします。詳しいことは、直接お会いしてお話させていただければと思います。
posted by いいぜん at 20:09| Comment(0) | 日記

2016年09月12日

70期司法修習生(予定)の方へ

2016年9月6日に司法試験の合格発表が行われ、1583名の方が合格されたようです。大半の方々は、70期司法修習生として、約1年間の司法修習に励むことになります。司法修習のために申込書類の提出期限が9月13日消印有効ということで、修習地の希望をどうすべきか等、悩んでいらっしゃる方も多いと思います。某巨大掲示板を見ていると、いろんな人がいろんな書き込みをされているのですが、部外者と思われるおかしな書き込みが目立ちます。大半の方々は法科大学院を出ていらっしゃるはずなので、実務家教員や先輩などによく実情をきいた方がよいと思います。このタイミングで書いても、役に立たないとは思いますが・・・。

例えば修習地の希望はあくまで参考資料にすぎず、第1志望から順番に埋まっていくものではありません。第1志望に新潟と書けば新潟の志望者は定員までいないようなので、第2志望に釧路をネタとして書いたなどという、釣りとしか思えない書き込みがありましたが、この方が釧路になる可能性は極めて高いです。全修習地にうまく配置する必要があるのですから、第2志望に釧路を書けば、釧路の定員が1名埋まることになり、修習地を決める担当者はホッとすることになるでしょう。

就職するには、東京か地方か、などという不毛な議論もありましたが、弁護士の知り合いがいれば、東京の方がよいなどという短絡的な結論にならないと思われます。東京では様々な事件があるとしても、それは別々の弁護士が担当しているのであって、1人の弁護士が幅広く担当できるわけではありません。東京では競争が激しく、案件の種類が特化してしまうので、幅広い経験をするのは難しい。特化した職務経験しかない弁護士は、地方にいっても役に立たない。東京だと即独支援があるとかいうなどということが利点だと主張している人は、業界のことを全く知らないのだなと思います。地方だとそんな仕組みがなくても先輩弁護士がいくらでもサポートしてくれるのだけれど、東京だとわざわざ仕組みを作らないとサポートできないというだけです。即独するなら地方の方が圧倒的に楽であることは、少しでも業界のことを知っていればわかるはずなのですが・・・。東京では国選も弁護士会の法律相談もほとんど回ってこないし、管財事件なんて倒産村にいないと事実上受任できません。弁護士の大多数の方にとっては、地方の方が充実した弁護士生活を送ることができると思います。

東京でないとなかなか経験できない特殊な仕事を志望するのであれば、東京志望というのは十分に理解できます。大手渉外事務所志望とか、先端的な知財事務所とか、それぞれの専門的な分野につきたい人であれば、東京は魅力的な職場になるでしょう。その場合は、単に東京志望というよりは、この具体的な事務所に入りたいという固有名詞の世界になると思います。下町ロケットの神谷弁護士にあこがれたので、そのモデルとなった鮫島先生の下でどうしても働きたい、といった発想です。結局のところ、東京か地方か、ではなく、どういう弁護士になりたいかによって変わってくるのだと思います。

充実した修習をしたいというのであれば、地方の方が圧倒的に充実しています。東京では人数が多すぎて、修習内容も希薄化しています。私は横浜修習でしたが、検察修習は検察志望者以外はほとんど放っておかれていました。ただし、そうは言っても東京で就職したいという方はたくさんいるでしょうし、その場合、東京周辺で修習していないと、就職活動はかなり不利になりますので、東京周辺の人気が高くなるのはやむをえない面もあります。私の場合でも、東京周辺の方であれば、ちょっと気にかかる人がいれば気楽に呼んで面接することはできますが、よっぽどのことがないかぎり、なかなか遠い地方の方をお呼びするわけにはいきません。その一方で、特定の地方での就職を考えている人は、修習地にその地域を選ぶことが極めて重要になります。1人を採用するのに、わざわざ公募して何十通もの履歴書をみるよりは、その地域の修習生を何人か面接して1人採用した方が楽なので、地方の就職情報はその地域外には伝わらないことが多いです。もし、希望する地域の修習にならなかった場合には、その地域の修習生の知り合いを何とか確保しましょう。

弊事務所も、弁護士会のひまわり求人求職ナビに70期の募集を追加しました。ただ、現実的な問題としては、70期の方が加わる来年12月以降に、弊事務所がどのような形態になっているのかは、私にもよくわかりません。希望者の方とゆっくり話し合うことになるのだと思います。就職は学校とは違いますので、仕事をしてもらわなければならないのですが、その意識が希薄な方が多いように思います。「私はこれがやりたい」という主張ばかりして、あなたを雇って私に何のメリットがあるのかわからない人が多いです。比較的時間のある今のうちに、実務家教員や先輩などと、よく相談してみることが大切だと思います。
posted by いいぜん at 16:18| Comment(0) | 日記

2016年04月01日

法律事務所の経営について

大手事務所のようにきちんとした基盤がある事務所はともかくとして、一般の法律事務所の経営は難しいものであるというのが、最近の状況だと思います。昔は、弁護士会にべったり貼りついていれば、弁護士会の法律相談とか管財事件とか様々な仕事が入ってきたのだと思いますし、過払いバブルというものもありました。今は弁護士だから食べていけるという状況にはないので、経営していくには工夫が必要です。まず、どのような案件がくるのかは読めない部分が多いです。サラリーマン時代には、上司にいろんな文句はあっても、我慢していれば給料日に一定の給料が入ってきたので、今にして思えば非常にありがたい身分でした。零細個人事業主としては、今月仕事がないと来月は金繰りが回らなくなるということにもなりかねません。それで、お客様からの預り金に手をつけてしまう不埒なおじいさん弁護士がでてくるわけですが、若手の弁護士はそもそも手をつけるような預り金すらなかったりします。収入が読めない以上、支出をコントロールするのが先決となります。法律事務所の主な支出としては、オフィスの賃料と人件費。私も独立した当初はレンタルオフィスを借りて、賃料を圧縮しました。人件費もうちの事務所のように裁判所の案件がほとんどないところでは、事務員はひとまず不要ということで、雇いませんでした。人を雇うということは、その分、自分の利益がなくなるということなので、雇う場合にはそれ以上の収入が増えることが前提になります。弁護士を雇う場合には、その報酬の2倍から3倍くらいの売上が増えないと意味がないといわれています。イソ弁時代は経費がほとんどかからないので、事務所からもらえる収入がそのままプラスになりますが、独立してしまうと、事務所賃料をはじめとして様々な経費が発生するので、個人事件がこのくらい取れているので何とかなるかと思っていると困ったことになります。イソ弁時代から、どういう経費がかかるのかというのを、よく調べておくことをお薦めします。ネット経由で仕事をとろうと思うと、ホームページの作成費用、SEOやリスティング広告の費用などがかかってきます。東京だとこうした費用が高騰してきており、大変なことになっています。
ある程度、収入の見込みをつけようと思うと、顧問の会社を増やすということになるかと思いますが、1社5万円/月の顧問料がとれたとしても、10社で50万円にしかなりません。10社も顧問をかかえると、その対応だけでかなりの時間をとられます。しかも最近は5万円も払ってくれる会社はなかなか見つかりません。一定の収入を確保しようとすれば、ある程度ルーティン化できる仕事をとってくる伝手を作ることになるのでしょう。損保と仲良くなって交通事故をたくさんやるとか、過払いに代わるものを探すとか(ちょっと前だったら為替デリバティブ被害とか、今でもまだ多いのはB型肝炎訴訟とか、未払い残業代請求をするとか、国選をやりまくるとか)になるのではないかと思います。それが本当にやりたい仕事なのかは別ですが、背に腹は代えられないということが多いと思います。それが嫌ならどうすべきか、真剣に考えなければいけません。
ということで、零細事務所の経営は大変なのだということを、まずは、しっかり認識しておく必要があると思います。そこから先は、各事務所の先生方の工夫がありますので、そこをよく見極めることが大切です。私も独立した当初は(というか今も?)通帳の残高を常にチェックして資金繰りを気にしていました。余裕がなくなると、筋が悪そうな案件に飛びつきたくなります。最近は弁護士を食い物にしようとする業者も増えてきました。なかなか生きていくのが大変な時代です。
posted by いいぜん at 20:19| Comment(0) | 日記